2024年度の食物経口負荷試験
2024年7月1日~2025年6月30日までに、当院で施行した「食物経口負荷試験」は328件でした。
前年度が238件でしたので、37.8%増加しました。
増加した背景
負荷試験の増加は、2023年度にアレルギー科を標榜し、徐々にアレルギー科としての認知度が上がってきたためだと思います。
三田市のみならず、近隣の神戸市、丹波篠山市、三木市など遠方から「専門的な食物アレルギー診療」を求めて受診されるケースが増えてきたように実感しています。
今後の方向性
安全でかつ意味のある負荷試験を続けていくために、当院では次の対応を行いました。
- 「経口負荷試験外来(アレルギー)」の新設
- 「小児アレルギーエデュケーター」の育成
「経口負荷試験外来(アレルギー)」の新設
今までは、「アレルギー外来」で負荷試験を行っていました。
この方法だと、負荷試験を希望する患者様が同じタイミングに集中することがありました。
「経口負荷試験外来(アレルギー)」は9時、10時、11時、15時半、16時半、17時半の1日最大6人までの負荷試験枠が設定されており、負荷試験が始まる時間も1時間ずつずれているため、有事の対応をより安全に行えるようになりました。
「小児アレルギーエデュケーター」の育成
当院では、日本小児臨床アレルギー学会によるアレルギー疾患の専門家として認められた看護師(アレルギーエデュケーター)を育成しています。
安全でかつ意味のある負荷試験を続けていくために
食物経口負荷試験は、食物アレルギー反応が出る可能性がある食べ物を、あえて病院内で食べていただき、反応が出るかどうかを確認する検査です。
この検査は、小児科を標榜する医療機関で、10年以上の診断・治療経験を持つ医師が常勤で1名以上配置されている必要があります。
今後も安全でかつ意味のある負荷試験を続けていくことで、地域の健康に貢献していきます。