血液検査は正確なアレルギー検査ではない
食物アレルギーと診断するために、もっとも有用な検査はなんでしょうか。
それを「血液検査」だと考えている人は多いと思います。
ですが、血液検査は「特異的IgE抗体」を測定しているだけであり、これだけでアレルギーと診断することはできません。
食物アレルギーの最も確実な診断法は、やはり「食物経口負荷試験」です。
食物経口負荷試験とは「アレルギーの原因と思われる食物を実際に食べてみる」という検査です。
食物経口負荷試験は、食べるだけの簡単な検査ではありますが、アナフィラキシーという重大なアレルギー反応を引き起こすリスクを伴います。
リスクがある検査であるため、食物経口負荷試験を実施できる病院・診療所は限られているのが現状です。
いっぽうで、食物アレルギーを持つ子どもはとても多いです。
1歳時点での卵アレルギーの有病率は8.9%という報告もあります。
「食物アレルギーを持つ子どもは多いにも関わらず、食物経口負荷試験を実施できる病院・診療所は限られている」というのが、今のアレルギー診療の大きな課題です。
アレルギー難民を救いたい
適切なアレルギー診療を受けたい患者さんは多いにも関わらず、なかなかアレルギー専門医の診療を受けられない。
いわゆる「アレルギー難民」と呼ぶべき子どもたちがとても多い。
おかもと小児科・アレルギー科は、この「アレルギー難民を救う」という大きな夢を持っています。
どのような患者に対して、どのような経口負荷試験のスケジュールをたてるか。
できるだけアナフィラキシーを引き起こさずに、安全摂取量を決定するための負荷レベルはいくらか。
そのお子さんにとって必要最小限の除去とは何か。
これらはとても専門的で、時間がかかる作業です。
日々の一般診療を行いながら、専門的なアレルギー診療を併せて行っていくことはとても大変です。
ですが、アレルギーで困っている子どもたちを少しでも救いたい。
正しい食物アレルギー診療を実践したい。
これは私の夢です。
おかもと小児科・アレルギー科は、夢を現実にする努力をしています。