兵庫県三田市、けやき台小学校。
その校庭を広く見渡せる場所に、緑色のクリニックがあります。
1994年開業のおかもと小児科を引き継ぎ、2023年にリニューアルした「おかもと小児科・アレルギー科」です。
本ページでは、当院をインタビュー形式で紹介いたします。
インタビューに答えた人
岡本先生が開業することになったエピソードをお話しいただけますか?
私がけやき台に来たのは、小学校5年生のときです。
目の前のけやき台小学校の5年2組、翌年は6年3組にいました。
引っ越してきてすぐ、父はおかもと小児科を開業しました。
教室の窓からはおかもと小児科がよく見えましたので、「今日は駐車場が混んでるなー」と授業中に思ったりもしていました。
父が働いている姿は、私にとって日常的な光景でした。
父は30年、地域の健康を守ってきました。
私も継続して支えていきたいと思い、同じけやき台で開業することを決めました。
どんな診療をしていますか?
小児科専門医として、子どもに関することは何でも診療しています。
発熱、咳、鼻水、腹痛、下痢、嘔吐…そういった一般的な症状はもちろんのこと、低身長、夜尿症、不登校など、なんでも診るのが小児科専門医です。
いっぽうで、私にはアレルギー専門医という側面もあります。
アレルギー疾患とは、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、じんましん、この5つが代表的です。
この5つの疾患については、かなり専門的な治療ができると自負しています。
たとえば食物アレルギーの確定診断に必要な「食物経口負荷試験」は2023年度に238件実施しました。
「食物経口負荷試験」はアレルギー診療を10年以上続けた医師にしかできない専門的な検査です。
アレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法も、2024年現在230人の方が当院で治療継続されています。
スギ花粉症やダニ抗原によるアレルギー性鼻炎に対する根治療法となりうる治療です。
重症なアトピー性皮膚炎に対しても、デュピクセント、ミチーガ、リンヴォック、オルミエントなどを用いた専門的な治療を行っています。
また、エキシマライトという紫外線療法を受けられる診療所も、市内では当院だけです。
小児科専門医としての、幅広い診療。
アレルギー専門医としての、専門的な治療。
どちらも受けられるのが、当院の特徴だと思います。
スタッフ体制について教えてください。
私が1診、父が2診という体制で診療しています。
父もまた小児科専門医です。
私がアレルギー疾患に専門的な治療を提供できるのは、父の協力のおかげです。
専門的な治療はどうしても時間がかかってしまいますが、父のおかげでなんとかその時間を工面できています。
また、当院には「この地域に住む健康を守りたい、子どもから大人まですべてのライフステージを支えたい」という理念があります。
地域の健康を守るためには「内科」の診療も欠かせません。
そのため、当院には総合内科専門医である中尾医師も在籍しています。
中尾医師は、日本プライマリケア連合学会認定医・指導医でもあり、内科のみならず、子どもも含めたあらゆる診療技術に長けています。
また、日本東洋医学学会専門医でもあり、漢方に関する専門的な知識があり、とても頼れる存在です。
「デジタル化」と「人の力」
医師以外のスタッフはどうですか?
医療は医師だけでは行えません。
診療を補助する看護師、そして医療事務の存在が欠かせません。
たとえば、小さい子どもや脱水の強い人への採血・点滴は難しい場合がありますが、医師と看護師が協力して処置にあたっています。
また、当院では診療前から的確な医療情報を得るために、「デジスマ」というデジタルデバイスを活用しています。
しかし、デジタル技術だけではどうしてもカバーできない、人の力が必要なところがあります。
たとえば、デジタルデバイスに慣れていない人に、その使い方を教えることができるのは、人の力だけでしょう。
また使い方が分かっても、デジタルだけでは微妙なニュアンスを伝えきれないことがあります。
当院の医療事務は、そのような問題点に、きめ細かなサポートをしています。
時代はますますデジタル化が進んでいくと思っています。
当院も効率の良い診療を提供するため、積極的にデジタルデバイスを取り入れていきます。
しかし、それと同時に、デジタルの力をではカバーできない部分を支える「人の力」が大切です。
医師・看護師・医療事務の「人の力」が、診療に質に繋がると私は考えています。
「人の力」を育てる工夫はありますか?
当院では、医師・看護師・医療事務が、「質の高い医療を提供するためのチームである」という意識を持つようにしています。
チームという意識があれば、自然とコミュニケーションが生まれます。
このコミュニケーションによって「人の力」が育つと私は信じています。
また当院では、月に1回カンファレンスを行っており、新しい医療の技術・知識を共有しています。
カンファレンスでは、最新のガイドラインや論文を読み込んだり、自験例の検討を行ったりしています。
診療中に医師には聞けなかったことが、診察後に看護師・受付事務には聞けたりすることもあると思います。
当院では、すべてのスタッフが医療の専門家です。
安心してご相談ください。
これからの未来
苦労していることはありますか?
待ち時間と予約状況に苦労しています。
つまり、患者さまのお気持ちに寄り添えば寄り添うほど診療時間が長引き、その結果、他の患者さまの待ち時間が延びてしまう状況が生じています。
また、待ち時間を短縮するために予約数を制限すれば、予約がさらに取りにくくなってしまうという課題があります。
こうした状況を改善し、患者さまの悩みに丁寧に向き合いながら、より多くの方を診療するためには、「質の高い、効率的な診療」が必要不可欠です。
事前にご記入いただいた問診表を活用することで、診療時間をできる限りコンパクトにまとめるよう努めています。
また、そうして生み出した時間で、丁寧な説明やアドバイスを行うことを心がけています。
少しでも待ち時間を短縮し、より多くの患者さまを診療できるよう、スタッフ一同引き続き努力を続けていきます。
今後の展望についてお聞かせください。
地域でもっとも高い水準の医療を提供してくれる病院。
困ったときにいつでも診てもらえる病院。
この2つの要素は、相反しているように思うはずです。
たとえば大学病院のような大きな施設は、地域でもっとも高い水準の医療を提供してくれます。
しかし、困ったときにいつでも診てもらえるというイメージはないと思います。
高い水準の医療には、検査も説明もたくさん必要になるので、すごく忙しくなる。
そうなれば、いつでも診てもらえるはずがありません。
私は、相反するこの2つの要素を両立できるような診療所を目指しています。
「デジタル化」と「人の力」によって、「質の高い、効率的な診療」を提供できるようになれば、地域でもっとも高い水準の医療を提供でき、かつ、
いつでも診てあげられるような診療所になると考えています。
最後に、患者さまへのメッセージをお願いします。
おかもと小児科・アレルギー科なら、何でも診てくれるよ。
湿疹で困ってるなら、おかもと小児科・アレルギー科がいいよ。
来てくださった患者さまに、こういう感想を持ってもらえるよう努めてまいります。