咳・鼻水の役割
咳は、気管に感染しているウイルスや細菌、または痰や異物などを外に排出するために出ています。
鼻水は、鼻に入った刺激物を外に押し出すために出ています。
咳も鼻水も、体を守るための防御反応です。
また、冷たい空気や、乾いた空気などによって気管や鼻の粘膜が刺激され、咳や鼻水が誘発されることもあります。
注意点基本的に咳・鼻水は体の防御反応ですから心配いりません。
ですが、息苦しくて眠れないほどの咳である場合は、気管支喘息の急性増悪や、クループ症候群の可能性があります。
水分を少し飲ませたり、立て抱きにして背中をさすってあげたりしても、咳が強くて眠れない場合は、受診が必要です。
すぐに行うこと
咳・鼻水の原因になるものを取り除きましょう。
部屋を適切に加温する、加湿することは大切です。
タバコの煙も異物として気管や鼻の粘膜を刺激しますので、家族が禁煙することも重要な咳・鼻水対策です。
鼻水がのどに垂れ込んでしまうために咳の原因となることもあります。
鼻水を吸ってあげることも、咳対策となるでしょう。
鼻をかむ練習をしてみよう子どもはなかなか鼻をかめません。
「ティッシュロケット」で、遊びながら鼻をかむ練習をしてみましょう。
片方の鼻にティッシュを詰め、反対側の鼻の穴を指で押さえて、鼻から息を出してティッシュを飛ばします。
まずは大人がお手本を見せてあげるとよいでしょう。
また、咳にハチミツが有効であることが分かっています。
1日1回、スプーン1杯程度のハチミツを摂ることで、咳を軽くすることができます。
ただし、1歳未満の子どもにはボツリヌス症のリスクがありますので、与えてはいけません。
「かぜ」による咳・鼻水の経過
原因が「かぜ」であった場合、咳・鼻水は10日でピークを越えます。
意外と長く咳・鼻水は続きますが、10日以内に「ピークは越えたかな」と感じるようであれば、心配いりません。
良くなったり悪くなったりして、症状に波がある場合も、「かぜ」を繰り返しているだけのことが多いです。
毎回10日以内にピークを越えるのであれば、大丈夫です。
咳・鼻水が完全に治るには10日以上かかりますので、その間ずっと保育園や学校をお休みするのは現実的ではありません。
熱がなく、元気であれば、保育園や学校には通ってよいと考えます。
ただし、3歳以上で無理なくマスクができるのであれば、咳をしている間はマスクをつけているほうがよいでしょう。
「かぜ」以外の咳・鼻水の経過
10日以上、ぜんぜん良くなる兆しがなく、咳が続く場合は、急性副鼻腔炎の可能性があります。
当院にご相談ください。
また、毎年2-3月にくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどがある場合は、スギのアレルギー性鼻炎かもしれません。
1年中くしゃみ、鼻水、鼻づまりがあり、特に起床時にくしゃみが多い場合は、ダニのアレルギー性鼻炎かもしれません。
鼻粘膜の診察やアレルギー検査についても、アレルギー専門医が在籍する当院にご相談ください。
受診の目安
緊急受診 |
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診療時間に当院に相談 |
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様子をみてOK |
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緊急受診が必要であるにも関わらず、当院が診療時間外であるときは、相談ダイヤルを利用してください。
「さんだ健康医療相談ダイヤル24」では、診療時間外での呼吸が苦しい子どもの対処法について、医師や保健師らがわかりやすくアドバイスしてくれます。
三田市民の方ならどなたでもご利用いただけます。
24時間365日、いつでも健康や医療などについて電話で相談できる「さんだ健康医療相談ダイヤル24」は、三田市民の方ならどなたでもご利用いただけます。症状や病気に関する悩み、夜間の子どもの発熱時の対処法、応急手当の方法といった健康や医療の相談について、医師や保健師らがわかりやすくアドバイスします。また、必要に応じて、医療機関の案内などを行います。
オンライン診療が可能か
ひどい咳には、注意深い診察や場合によっては検査(胸部X線検査、アレルギー検査)が必要となります。
したがって、咳・鼻水には対してはオンライン診療はできません。
対面診察の予約をお願いいたします。
また、診断が確定していない状態でのアレルギー性鼻炎の診断も、鼻粘膜の診察が必要ですので、対面診療が適切です。
いっぽうで、軽い咳や鼻水など、風邪と思われる症状であればオンライン診療は可能です。
2023.11.03
ここでは、おかもと小児科・アレルギー科のオンライン診療の流れを説明します。 1. オンライン診療に必要なもの 必要なのは次の2つです。 M3デジカルスマート診察券(デジスマ診察券。当院の予約に使用するアプリ)が入ったスマートフォン クレジットカード もし、アプリを持っていな...
診断が確定したアレルギー性鼻炎の場合も、オンライン診療を組み合わせて治療することができます。
舌下免疫療法は3-5年の治療が必要であり、対面診療だけで継続していくのは大変です。
まずは対面診察で診断を確実にし、その後は継続しやすいオンライン診療に切り替えていきます。
気管支喘息のフォローもオンライン診療が可能です。
急性増悪時は対面診療、コントロールはオンライン診療で、使い分けることができます。