嘔吐・下痢の原因は
嘔吐・下痢は、細菌やウイルスの感染による胃腸炎が原因であることが多いです。
食物アレルギーでも嘔吐や下痢をすることはありますが、2時間以内に初めて食べた食物がない場合は、まずは食物アレルギー以外の原因を考えるべきです。
生後1か月頃であれば肥厚性幽門狭窄症、生後6-36か月では腸重積症、予防接種をしていない子どもでは細菌性髄膜炎なども嘔吐の原因となります。
しかし、いずれも胃腸炎と比べれば頻度は稀です。
子どもが嘔吐・下痢をしたときは、まずは胃腸炎だと思って対応するのがよいでしょう。
注意点ただし、ぐったりしている、意識がぼんやりしている、水分が取れない状態が12時間以上続く場合は、すぐに受診しましょう。
すぐに行うこと
嘔吐が治まるまでは、吐いた物をのどにつまらせないように、体を横向きにして寝かせ、背中に丸めたバスタオルなどをあてて固定しましょう。
下痢の場合は、うんちの写真を撮っておくと診断の役に立ちます。
注意点嘔吐物にはウイルスがいます。
処理した後は流水でしっかり手を洗いましょう。
胃腸炎のウイルスはアルコールでは除菌できません。
次亜塩素酸ナトリウム液(ハイターなど)を使って消毒しましょう。
そして、水分を与えましょう。
嘔吐・下痢が続くと、体内の水分が失われて脱水状態になってしまうためです。
嘔吐から30分ほどして、吐き気が治まっていれば、少しずつ水分を与えましょう。
経口補水療法
少しずつ水分を与える方法として、米国疾病管理予防センター(CDC)の推奨に準じた「経口補水療法」という方法があります。
体重が10kg未満最初は5分おきに5mLずつ飲ませましょう。
吐かなければ、5分おきに10mLずつまで増やしましょう。
3時間かけて約300mlの水分を摂りましょう。
もし吐いてしまったり下痢したりした場合は、そのたびに30分以上かけて約60mlの水分を追加してください。
体重が10kg以上最初は5分おきに5mlずつ飲ませましょう。
吐かなければ、5分おきに10mlずつ、15mlずつ、20mlずつまで徐々に増やしましょう。
3時間かけて約600mlの水分を摂りましょう。
もし吐いてしまったり下痢したりした場合は、そのたびに30分以上かけて約120mlの水分を追加してください。
飲ませるものはOS-1やアクアライトが望ましいです。
手に入らないときはポカリスエットやアクエリアス、2倍に薄めたりんごジュースでも構いません。
水1Lに食塩2gと砂糖35gを加えれば、アクアライトと同じ成分の飲み物になります。
母乳や粉ミルクを飲んでいるお子さんはそのまま続けましょう。
薄める必要はありません。
胃腸炎の経過
嘔吐・下痢の原因が胃腸炎であった場合、嘔吐症状は約2日、下痢症状は約7日で改善します。
嘔吐がおさまれば、登園・登校は可能です。
ただし、まだオムツが外れていない時期で、オムツから漏れ出るほど下痢をしている場合は、登園を控えるべきです。
受診の目安
緊急受診 |
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診療時間に当院に相談 |
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様子をみてOK |
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緊急受診が必要であるにも関わらず、当院が診療時間外であるときは、相談ダイヤルを利用してください。
「さんだ健康医療相談ダイヤル24」では、診療時間外での呼吸が苦しい子どもの対処法について、医師や保健師らがわかりやすくアドバイスしてくれます。
三田市民の方ならどなたでもご利用いただけます。
24時間365日、いつでも健康や医療などについて電話で相談できる「さんだ健康医療相談ダイヤル24」は、三田市民の方ならどなたでもご利用いただけます。症状や病気に関する悩み、夜間の子どもの発熱時の対処法、応急手当の方法といった健康や医療の相談について、医師や保健師らがわかりやすくアドバイスします。また、必要に応じて、医療機関の案内などを行います。
熱がないにも関わらずけいれんしたときには、すぐに救急車を呼びましょう。胃腸炎のけいれんは繰り返しやすいので、速やかに医療機関を受診するほうが安全です。
オンライン診療が可能か
水分が摂れないほどの嘔吐の診療には、注意深い診察や場合によっては検査(便検査、血液検査、超音波検査)が必要となります。
したがって、強い嘔吐には対してはオンライン診療はできません。
対面診察の予約をお願いいたします。
いっぽうで、水分摂取が良好な嘔吐や、ひどくない下痢であれば、オンライン診療は可能です。